Sengoku Gensokyo: Translation Part 5
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Contents |
*E029
| Marisa Kirisame | 「おーい」 | |
|
いつもの様に、トレードマークの箒に乗って魔理沙が空から声を掛けてきた。 ゆっくりとホバリングしながら、霊夢の前に降り立つ。 |
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| Reimu Hakurei | 「こんにちは、いいお天気ね」 | |
| Marisa Kirisame | 「おおぅ、一体どうした」 | |
| Reimu Hakurei | 「何がよ」 | |
| Marisa Kirisame |
「いや、あんまりにも普通な挨拶だったもんだから、 面食らって」 |
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| Reimu Hakurei | 「失礼ね、私だって挨拶くらいは普通にするわ」 | |
| Marisa Kirisame |
「そりゃまあそうだが。 |
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| Reimu Hakurei |
「何で私が怒られなきゃいけないのよ。 |
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| Marisa Kirisame |
「その発言が既に、十分理由足りうる発言に聞こえる ぜ」 |
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| Reimu Hakurei |
「どうでもいいわよそんなの。 |
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| Marisa Kirisame |
「恐れてるって? |
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| Reimu Hakurei | 「じゃあその背中の風呂敷包みは何?」 | |
| Marisa Kirisame | 「古跡の発掘帰りだ」 | |
| Reimu Hakurei | 「……盗掘、の間違いでしょ」 |
*E030
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何かというと仕事をサボっては、三途の河の傍で長い休憩を取ったり、どこか別の場所に出歩いたりしている小町だったが、 やる気が無いという訳では無く、その日は真面目に幽霊を舟で彼岸に運んでいた。 |
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| Komachi Onozuka |
「まあ、ただ座ってるだけで退屈だろうけどさ、向こ
う岸に着くまでのんびり寛ぐといい。 |
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ゆっくりと舟を漕ぎながら、乗客である幽霊に話しかける。 何の返事も無いのは幽霊が喋れないから仕方ないのだが、その為まるで一方的に喋り続けている様にも見えた。 |
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| Komachi Onozuka |
「お客さんは知ってるか知らないかは知らないが、出 発前に頂いたこの河の渡し賃は、有り金全部が規則 でね」 |
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| Komachi Onozuka |
「時々居るんだよ、妙にゴネたり、一部を隠し持って
いたりするのが。 |
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幽霊に尋ねるが、喋れない為にただ体を震わせるだけだった。 その様子を見て小町が言葉を付け加える。 |
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| Komachi Onozuka |
「あーそうだった、まだ喋れないんだよな。 |
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| Komachi Onozuka |
「だから、言いたい事は心の中で思ってくれればいい
よ。 |
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| Komachi Onozuka |
「……ん、そうそう、そんな感じで。 こうなるのさ」 |
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小町の足元に転がっていた小石を、舟からやや離れた水面に投げ込む。 |
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| Komachi Onozuka |
「おおっとっと…… |
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| Komachi Onozuka |
「見た感じ、お客さんはそういう事は無さそうで安心
したよ。 |
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| Komachi Onozuka |
「で、えーと…… |
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| Komachi Onozuka |
「お客さんのは、まあまあ普通かな。 |
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| Komachi Onozuka |
「ちょいと亡くなるのが早かったかもしれないが、そ れはまあ仕方のない事だからね、自殺とかじゃなけ れば」 |
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| Komachi Onozuka |
「ん、どうした? |
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返事の代わりに体をプルプルと震わせている。 声は小町にしか聴こえない。 |
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| Komachi Onozuka |
「アハハ、そんな心配する事も無いさ。 |
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小町が喋り続けている間もゆっくりと舟は進む。 河は広く、まだ向こう岸は見えなかった。 |
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| Komachi Onozuka |
「この辺で半分って所かな。 |
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| Komachi Onozuka |
「何を話せばいいのかって? |
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| Komachi Onozuka |
「……何々、付き合ってたけど振られた彼女の話? |
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……小町は決して、仕事が嫌でサボっている訳ではなく、寧ろこうして色々な魂と話が出来る船頭という仕事が好きだった。 そのせいで「仕事が遅い」と映姫に叱られるのだが、改めるつもりはあまり無かった。 |
*E031
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無縁塚は今も尚、紫の花を舞い散らせ、無縁のまま生を終えたゆたう死者の魂を解き放っていた。 例年ならとっくに散り終わっている頃なのだが、桜はまだ咲き続けている。 |
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そんな、生ある者はとても寄り付かないこの場所で、映姫は一人佇んでいた。 何を考えているのか表情からは読み取れないが、紫の桜と重なるその姿は、とても厳かなものに見えた。 |
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| Sikieiki Yamaxanadu |
「輪廻転生、心を縛る茨から解放された魂は、やがて
私の元へと辿りつく…… |
|
| Sikieiki Yamaxanadu |
「縁者無く命を落とした者は、河を渡る為の渡し賃を
持たない者もいる。 |
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| 本来閻魔は、死してやってきた魂を裁くだけでいいのだが、映姫の性格上、少なくとも自分の目の届く範囲だけでも、手遅れにならぬよう罪の穢れを落とし、死後を善きものにしてやりたいと考えていた。 | ||
| ……そして、すぐ傍に大きな罪を背負っている者が居るのに、それを見過ごすような真似は彼女にはできなかった。 | ||
| Sikieiki Yamaxanadu |
「あの者は全く気付いていない…… |
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| Sikieiki Yamaxanadu |
「今のうちに気付かせる事が出来ればいいのですが、 しかし……」 |
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不安は渦となり、心を覆う。 閻魔たる者、たかが一つの魂に固執するなどあってはならない事である。 だがそれでも気に掛けずにはいられなかった。 |
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| Sikieiki Yamaxanadu |
「かの妖怪も、同じ事を危ぶんでこのような事を思い
立ったのでしょう。 |
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| Sikieiki Yamaxanadu |
「今際の際にならないと分からないというのなら…… |
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誰に話しかけるという訳でもなく、誰に聞かせるという事でもなく、小柄な体を桜に預け空を見やる。 時を惑わせるその色はまるで、彼女の心を表しているかのようであった。 |
*E032
| 既に日も落ちて全く人気の無い博麗神社に、一つの人影があった。 数度辺りを見回すと、宙に顔を向け声を発する。 |
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| Sikieiki Yamaxanadu |
「……そこに居るのでしょう、そろそろ出てきたらど うですか?」 |
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| ??? | 「……………………」 | |
| Sikieiki Yamaxanadu |
「かくれんぼに付き合う程、私は暇を持て余してはい ませんよ」 |
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| ??? |
「………… あらあら、バレてたのね」 |
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| 何も無い所から声がしたかと思うと、空間に亀裂が走り、そこから紫色の人影が一つ、映姫の目の前に降り立った。 | ||
| Yukari Yakumo | 「ご機嫌麗しゅうございますわ」 | |
| Sikieiki Yamaxanadu | 「気味が悪いのですが」 | |
| Yukari Yakumo | 「随分酷い事を仰いますわねえ」 | |
| Sikieiki Yamaxanadu | 「……本題に入りましょうか」 | |
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ニコニコと笑みを浮かべている紫だったが、その裏側には何か底知れない空気を漂わせている。 しかし映姫はそれに全く動じる様子も無く、毅然とした表情で紫を見据えていた。 |
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| Yukari Yakumo |
「……流石はあらゆる魂に裁きを下す閻魔、どこまで も真っ直ぐで、穢れも揺らぎも無い眼差しですわ」 |
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| Sikieiki Yamaxanadu |
「その私でも、貴方の事はよく分からない。 |
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| Yukari Yakumo |
「心の境界、そう易々と踏み越えられる訳にはいきま
せんから。 |
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| Sikieiki Yamaxanadu |
「……境、それがあるならまだ良かったのかもしれな いけれど」 |
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| Yukari Yakumo | 「ああ、やっぱり……」 | |
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さも予期していた通りと言わんばかりに、紫が溜息と共に天を仰いだ。 ガッカリしている様ではあったが、さほど落胆している風でもなかった。 |
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| Sikieiki Yamaxanadu |
「貴方があの封書を持ってきた時は驚きましたが…… |
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| Yukari Yakumo | 「それはそうですわ、可愛いあの子の為ですもの」 | |
| Sikieiki Yamaxanadu | 「だから、このような大掛かりな仕掛けを?」 | |
| Yukari Yakumo |
「それは半分。 |
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| Sikieiki Yamaxanadu |
「……まあ、いいでしょう。 |
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| Yukari Yakumo |
「あの子の血は、幻想郷の異変を解決し、そして結界
を維持する為のもの。 |
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| Yukari Yakumo |
「だからセーフティとして、特定の何かに心を傾けな
いようになっている。 |
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| Yukari Yakumo |
「表向きは沢山の人間や妖怪達と交流を持っているよ
うに見えるけど、ね。 |
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| Sikieiki Yamaxanadu |
「家族、恋人、親友、生の過程で出会う者達…… |
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| Sikieiki Yamaxanadu |
「このままでは、いつか生を全うした時、私の裁きす
ら受けられないかもしれない…… |
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| Yukari Yakumo |
「はぁ…… |
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| Sikieiki Yamaxanadu | 「乱暴な行為は肯定しませんよ?」 | |
| Yukari Yakumo |
「例えですわ。 |
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| Sikieiki Yamaxanadu |
「……一つ質問しますが、どうしてそこまで肩入れす るのですか?」 |
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| Yukari Yakumo |
「そりゃあ…… |
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そう言う紫の瞳は、目の前の映姫を通り過ぎて遥か、ずっと遠くを見ているようだった。 何か言葉を掛けようとしたその時、境内の奥屋の方から物音が聞こえた。 |
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| Yukari Yakumo |
「あら、そろそろ引き上げ時かしら。 |
|
|
紫の手が空に伸びると、現れた時と同じように空間がひび割れ、その隙間に体を潜らせてあっという間に姿を消した。 それと入れ替わるように、物音の主が正体を見せる。 |
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| Reimu Hakurei |
「あーもう、さっきからおかしな妖気やらおかしな話 し声やら、うるさいったらありゃしない!」 |
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| Sikieiki Yamaxanadu | 「こんばんは、起こしてしまいましたか」 | |
| Reimu Hakurei |
「もう、こんばんはって言う時間じゃないでしょう
が。 |
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| Sikieiki Yamaxanadu | 「長く生きれば、積もる話もあるのですよ」 | |
| Reimu Hakurei |
「ふーん…… |
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| Sikieiki Yamaxanadu |
「ええ、私ももう引き上げますから。 |
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| Reimu Hakurei |
「別に興味も無いし。 |
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| Sikieiki Yamaxanadu |
「……確かに、そうですね。 それではお休みなさい」 |
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| Reimu Hakurei | 「……変なの」 | |
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霊夢に背を向け、漆黒の空へと飛翔する映姫。 彼女と、そして紫の願いが叶う日は、まだ遠そうだった。 |
*E033
|
人間の里を支配下に置いた博麗の勢力。 霊夢と魔理沙の二人は、その手中に収めた里を並んで歩いていた。 |
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| Marisa Kirisame | 「さーて、とうとう地獄の門を開いたな」 | |
| Reimu Hakurei | 「何よそれ、不吉な事言うわね」 | |
| Marisa Kirisame |
「前に言ったろ? |
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| Reimu Hakurei |
「そんな事言ってたかしら。 |
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| Marisa Kirisame |
「やられる前にやる、先手必勝一撃必殺の精神でいく か」 |
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| 魔理沙は息巻きながらブンブン腕を振り回し、偶々近くに居た里の者にぶつけて謝っている。 | ||
| Reimu Hakurei | 「危ないからやめなさいって」 | |
| Marisa Kirisame |
「いててて…… で、どっからいくつもりなんだ?」 |
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| Reimu Hakurei | 「そんなの決まってるわ、紫のやつをぶっ飛ばす」 | |
| Marisa Kirisame |
「まだ根に持ってたのか、お前って存外執念深いんだ なあ」 |
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| Reimu Hakurei | 「この商売、舐められたら商売上がったりよ」 | |
| Marisa Kirisame |
「まあ別にいいけどな。 うーん」 |
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| Reimu Hakurei |
「どうしたのよ、柄にも無く考え込む素振りなんか見 せて。似合わない事するわね」 |
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| Marisa Kirisame |
「博麗の軍師様に向かってなんて言い草だ。 |
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| Reimu Hakurei |
「湖って、あー紅魔館の方角の。 妙な動きって何よ」 |
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| Marisa Kirisame |
「聞いた話によると、まだその季節でもないのに、湖 周辺が冬みたいに寒いとか」 |
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| Reimu Hakurei |
「あの辺が寒いのはいつもの事だけど…… 妖怪の仕業かしら」 |
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| Marisa Kirisame |
「湖といえばあいつの根城だからな。 |
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| Reimu Hakurei |
「そうね、慎重に考えましょうか。 |
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| Marisa Kirisame | 「私は天麩羅蕎麦でいいぜ」 | |
| Reimu Hakurei | 「誰が奢るって言った」 | |
| Marisa Kirisame | 「誰が奢れって言った」 | |
| Reimu Hakurei |
「私は冷奴蕎麦でいいわ。 |
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| Marisa Kirisame |
「……奢らんぞ。 あと、西瓜も要らん」 |
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相も変わらず能天気で、気の抜けた会話を繰り広げる二人。 そんな彼女達の間を、涼やかな風が撫でていった。 |
*E034
| Letty Whiterock |
「ふぁ~あ…… |
|
|
ここは紅魔館に通じる湖。 その上空で、本来ならば冬にしか見る事の無い筈の妖怪・レティが、気だるそうに漂っていた。 |
||
| Letty Whiterock |
「ふー、他所よりはまだ涼しいとはいえ、やっぱり暑 いわねえ……ああ、体が溶けちゃいそう」 |
|
|
湖上はひんやりと涼しいとはいえ、まだまだ冬の妖怪が快適と感じるには程遠い気温で、手をパタパタさせて少しでも涼を取ろうと苦心していた。 そんな所に、氷の妖精チルノが元気よく飛び込んできた。 |
||
| Cirno | 「レティー! ただいまー!」 | |
| Letty Whiterock |
「ただいまーじゃないわよ! |
|
| Cirno |
「レティー、レティー! ちょっと起きてよー」 |
|
| Letty Whiterock |
「ん、ふあ…… 何よ、もうちょっと寝かせて……」 |
|
| Cirno | 「一大事なのよ、だからちょっと来て!」 | |
| Letty Whiterock | 「私の睡眠を妨害する事より大事な事なのかしら?」 | |
| Cirno |
「あたい達だけじゃちょっと不安だしさ、いいから来 てよー!」 |
|
| Letty Whiterock | 「わ、ちょっと、引っ張らないで」 | |
| Letty Whiterock |
「……で、三日も帰ってこないし…… |
|
| Daiyousei |
「アハハハ、チルノちゃんったら元気が有り余ってる からねー」 |
|
| レティの隣で、チルノが不在の三日間ずっとレティの話し相手となっていた大妖精が、あっけらかんと笑っている。 | ||
| Letty Whiterock | 「一体どこに行ってたのよ?」 | |
| Cirno |
「んーとね、ちょっと仲間集めに行ってた。 |
|
| Letty Whiterock |
「仲間? 承知しないわよ?」 |
|
|
レティの周囲の気温がにわかに下がり始める。 が、その脅しは隣の大妖精を震えさせるだけで、チルノには効果が無かった。 |
||
| Cirno |
「下らなくなんかないって! |
|
| 胸元から一枚の髪を取り出して、レティに渡す。 | ||
| Letty Whiterock |
「何…… ……何、これ」 |
|
| Cirno |
「何かよく分かんないんだけど、幻想郷で人間達とか
妖怪とかグループ作って遊んでるみたい。 |
|
| Cirno |
「何を叶えてもらおうかなー。 一々蛙探して捕まえるの、面倒臭いし」 |
|
| 皮算用に心ときめかせるチルノを前に、レティが怒りとも諦めともつかない複雑な顔をして一つ、息を吐いた。 | ||
| Letty Whiterock |
「ふう…… |
|
| Cirno |
「そのとーり! |
|
| Letty Whiterock | 「何で私が妖精なんかの頼みを聞かなきゃ……」 | |
| Cirno | 「レティは願い事とか無いの?」 | |
| Letty Whiterock |
「えっ? |
|
| Cirno |
「ちょっとなんてせこい事言わずにさ、どーんと全部
冬にすればいいじゃない。 |
|
| Letty Whiterock | 「いや別にそこまでは」 | |
| Cirno | 「ねーあんたは何か無いの?」 | |
| Daiyousei |
「え、私? |
|
| Cirno |
「よーし、それじゃあ蛙と冬と湖を広くする為にがん ばろー!」 |
|
| Daiyousei | 「おー!」 | |
| Letty Whiterock | 「……はぁ」 | |
| Cirno | 「どーしたのレティ、元気無いね」 | |
| Letty Whiterock |
「そりゃ、こんな下らない事で起こされちゃね…… |
|
| Cirno |
「なーんだ、そんな事。 |
|
| Letty Whiterock | 「変わるわよ!」 | |
| チルノや妖精達と比べて、やる気の無さそうなのはレティだけだったのが、彼女にとっての不幸と言えるのかもしれない。 | ||
| こうして、我が道を行くチルノの我侭によって、結局レティと湖近辺の妖精達は、否応無く巻き込まれていくのであった。 | ||
| 『最強妖精団』が結成されました。 を支配下に置きました。 |
*E035
|
レティと大妖精を巻き込んで意気上がる、チルノ達妖精の集団プラス妖怪一匹。 そんな彼女達の根城である霧立ち込める湖に、三つの物影が近づいてきていた。 |
||
| ???1 |
「ねえ、本当にこっちの方向で合ってるのよね? |
|
| ???2 |
「まさか、妖精が道に迷う訳無いでしょ。 |
|
| ???3 | 「……それを迷ったと言うんじゃないかしら」 | |
| ???2 |
「うるさいなあ、大体あいつが湖としか言わなかった から悪いんじゃないの。湖ってどこの湖なのよ」 |
|
| ???3 |
「少なくとも、里の近くの『池』じゃないと思うわ。 |
|
| ???2 |
「可能性は一つずつ潰していきましょう、って言って たのは誰よ」 |
|
| ???1 |
「もうっ、いいじゃない別に。 |
|
|
物影のうちの一つが前方を指差す。 眼前に、間違っても池とは到底呼べないような水景色が広がっていた。 靄のような霧のせいで、遠くはよく見えない。 |
||
| ???2 |
「ふぅ、着いたようね。 |
|
| ???3 | 「ここのどこかじゃない?」 | |
| ???2 |
「探せって言うの? ……帰ろうか」 |
|
| ???1 |
「ここまで来たのに帰ったらバカみたいじゃない。 |
|
| Daiyousei | 「おーい、チルノちゃ~ん」 | |
| その日も特に目的無く、ふわふわと湖上を漂っていたチルノの所に、大妖精が声を上げながらやってきた。 | ||
| Cirno |
「ん? どうしたの?」 |
|
| Daiyousei |
「なんかね、見回りの子が言ってたんだけど、見慣れ ない三人組がここに来たんだって」 |
|
| Cirno |
「あ、あいつらかな。 やっと来たわね」 |
|
| Daiyousei |
「あれ、知り合いなの? どうする?」 |
|
| Cirno |
「そいつら、今どの辺にいるの? 連れてって!」 |
|
| Daiyousei | 「うん、こっちだよー」 | |
|
大妖精の先導に従ってしばらく行くと、霧の向こうに三つの人影が見えてきた。 どうやら向こうもこちらに気付いたらしく、チルノ達の方まで近づいてくる。 |
||
| Cirno | 「ちょっと、遅いでしょ!」 | |
| ???2 |
「遅いでしょ、じゃないわよ! |
|
| Cirno | 「湖と言ったらここしか無いじゃない」 | |
| ???3 | 「ほら、だから言ったじゃない」 | |
| ???1 | 「言ったのにねえ」 | |
| ???2 | 「ちょっと、私一人だけ悪者にする気!?」 | |
| 目の前のチルノ達をそっちのけで口論を始める三人に、チルノの後をついてきたレティが呆れながら声を掛ける。 | ||
| Letty Whiterock |
「……お取り込みの所申し訳ないけど、貴方達は一体 どちら様?」 |
|
| ……その、至極当然なレティの質問に、三人はピタッと動きを止め、目を輝かせながら振り向いた。 | ||
| ???1 | 「えっ、私達が何者で」 | |
| ???2 | 「潔く名を名乗れと」 | |
| ???3 | 「仰るのね?」 | |
| Letty Whiterock | 「いや別にそこまでは」 | |
| ???2 |
「仕方ないわね、誰だと聞かれたら教えてあげようじ ゃない。いい、よーく聞くのよ!」 |
|
| ???1 |
「輝ける日の光の妖精、サニーミルク! 得意技は光の屈折!」 |
|
| ???2 |
「静かなる月の光の妖精、ルナチャイルド! 得意技は音を消す事!」 |
|
| ???3 |
「降り注ぐ星の光の妖精、スターサファイア! 得意技は気配探知!」 |
|
| Sunny - Luna - Star |
「人呼んで…… 光の三妖精参上ーーー!!」 |
|
| Letty Whiterock | 「お帰り下さい」 | |
| Luna Child | 「ちょっと即答!?」 | |
| Sunny Milk | 「私達、そこの妖精さんに誘われて来たんだけど」 | |
| Letty Whiterock |
「チルノ、この前の『仲間集めに行ってた』って、も しかしてこの子達の事?」 |
|
| Cirno |
「うん、こいつらの強さは、戦った事のあるあたいが
よく知ってるからね。 |
|
| Luna Child |
「戦ったって、ただのケンカじゃない。 |
|
| Star Sapphire | 「どんな人間や妖怪が相手だって」 | |
| Sunny Milk | 「必殺の悪戯でイチコロよ!」 | |
| Letty Whiterock | 「……………………」 | |
| Sunny Milk | 「……」 | |
| Luna Child | 「…………」 | |
| Star Sapphire | 「………………」 | |
| Sunny - Luna - Star |
「…………………… 光の三妖精参上ーーー!!」 |
|
| Letty Whiterock | 「分かったから」 | |
| Daiyousei |
「何だか賑やかで楽しそうだねー。 |
|
| Luna Child | 「よろしくー!」 | |
| Cirno | 「あたいには敵わないけど、頑張ってよ!」 | |
|
ワイワイガヤガヤ賑やかに、まるで小さな子供達が沢山集まったように騒がしくなる。 妖精だから子供みたいでもさほどおかしい事は無いのだが、一人仲間外れの妖怪だけが、ついていけずに眉間を指でおさえた。 |
||
| Letty Whiterock | 「はぁ、私は子守の為に起こされたのかしら……?」 | |
| レティの苦悩はまだ続くのだった。 | ||
| Star Sapphire | が加わりました。 |
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